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アロマが出来る未病ケア・予防医学②

アロマと未病ケア・予防医学のつながり

前回「アロマが出来る未病ケア・予防医学」でもお伝えした通り、私たちのほとんどの方が認知しているアロマとは、イギリス式アロマであり、あまり日本では知られていないアロマがフランス式アロマであることをお伝えしました。このフランス式アロマは私たちが認知しているアロマの目的とは全く違ってきます。香りを楽しんだりお好きな香りで癒されたりなど、香りを楽しむためがメインであるイギリス式アロマは濃度を薄めて、アイテムとして常備したり、エステサロンやマッサージなどで使用されます。
フランス式アロマは、お悩みや疾患を改善するためが目的で香りを重視するわけではなくその植物の効能に合わせて選ぶアロマであります。
このことからフランス式アロマは別名メディカルアロマとも呼ばれており、使用される方のお悩みに合わせて処方するイメージとなります。
まだまだ日本では浸透していないフランス式アロマではありますが、その効能効果が、専門家の中でも注目、認証されてきており、医療機関での取り組みも進んでいます。
主に、日本で注目されている未病ケアや予防医学の中では、睡眠トラブル、認知症改善に推奨されてきており、今後更に普及してくると予測されています。
そのためにも多くの方に正しい知識が広がり、普及へと繋がっていくことが重要となります。

日本が抱える医療問題

日本には素晴らしい保険制度があることは皆様ご存じだと思います。
この保険制度は、ケガや病気になったとして病院にかかっても私たちが負担する金額は3割までとなっており、あとは国が保証してくれるものです。他国ではこの保険制度がなく、10割負担することが当たり前の国もあるのです。このことから、日本に住む私たちは些細なことでも病院へ行き、満足な治療を受けられるシステムとなっています。
しかし、この私たちが負担しないあとの約7割分は、国=税金から賄っており国民の皆が義務として支払っているお金ということになります。そしてこの税金を多く払うのは若者であり、病院にかかる割合は年齢が上がるほど増えていきます。
そして、皆様もご存じの通り日本は世界の中でもダントツの長寿大国です。そしてそれとは相反して、少子化が深刻な問題となっているのです。この状態が続いてしまうと、どんどん高齢化が進み病院へかかる人数は増え、少子化が進み経済を支える若者がいないことで、税金が増える、年金が不安定とこの安定した保険制度も勿論揺らいでしまうこととなるのです。このことから、少子化問題を解決へと導く対策は国として必要ですが、わたしたち一人一人が、病院にかかることが少なくなるよう、健康で美しく健康寿命を延ばす対策が必須となるわけなのです。

嗅覚と脳の関係性

フランス式アロマが日本で認知されだしている理由のひとつとして、このメディカルアロマが認知症や不眠などへの予防や改善へと効果が期待できると医学的に注目されています。
この嗅覚は大脳と唯一ダイレクトに繋がっています。
他の視覚、聴覚、味覚、触覚などは視床下部をクッションにして脳と繋がっています。
そして、この嗅覚は記憶たどる海馬とダイレクトに繋がっており、嗅覚は感情や記憶と密接な関係があると言われています。
精神系疾患では脳内伝達物質の分泌の乱れ、女性疾患や不調は脳が調整しているホルモン分泌の乱れが原因のひとつです。これらの不調は全て脳で起こっているのです。
このように様々な未病や病気の原因が脳と深い関係があることで、その脳とダイレクトに繋がっている嗅覚に、アロマテラピーの精油のにおいを伝えることで情報は脳に直接伝達されることとなり、脳で起こっていることが原因となる疾患や不調の改善が期待できるということになります。

アロマで期待される予防とは

この脳と嗅覚の関係性からアロマテラピーの効果が期待できる事は理解できますが、具体的にどのような未病ケア、予防医学、病気への緩和に繋がっていくのでしょうか?
現在、日本で期待されているのが「認知症」です。
日本ではこの認知症(軽度認知症も含む)になる人は2025年には1,300万人だと予測されており、世界の中でも突出しています。世界中で、根治薬の完成見込みは立っていません。そんな中、2005年に認知症の専門医がフランス式アロマテラピーを使った中核症状の改善を発表したことからその効果が期待でき、様々な医療機関が取り組みを始めています。
日本の認知症の半分以上を占めているアルツハイマー型認知症は症状が現れる前ににおいが分からなくなると言われています。記憶の中枢を司る海馬は新しい神経細胞を生涯作り続けられます。においは直接、この海馬のある大脳辺縁系へと伝えられます。アロマテラピーによって特定の匂いを刺激として与える事で、海馬で新しい神経細胞の構築が促進され、認知症の改善に繋がっているのではないかとも考えられます。
また、不眠症にも注目されています。この睡眠障害は日本ではかなり深刻で5人に1人が睡眠障害と言われています。不眠症が長く続くことで糖尿病や、高血圧症、生活習慣病や鬱のリスクも上がると言われています。ラベンダーの精油の効果が期待されており、脳内に香り成分が取り込まれ中枢神経系、特にGABA受容体に作用する可能性が高いと言われています。その他、ストレスの緩和にもアロマテラピーは有効だとされており、様々な病気の前兆となる未病のケアに効果が大きく期待できると言えるでしょう。

まとめ

私たちが認知している香りを楽しむアロマであるイギリス式アロマとは違い、フランス式アロマテラピーは、植物の持つ香りの成分を生かし精油として、様々な疾患や未病ケア、予防医学として効果が期待できると専門家たちも注目しています。医療機関でも取り組みが進んでおり、日本でもこのフランス式アロマテラピーの効果が期待されています。
日本の医療保険制度問題は深刻で、世界中を見てもダントツの高齢化社会が進む一方、極端な少子化が問題であり、素晴らしい保険制度を備えている日本だからこその抱える大きな問題です。私たち日本人は病気やけがをしても、保険制度が整っているため、自己負担が少なくためらわず病院へ行き、適切な治療を受ける事が出来ます。そしてこの国が負担している保険料は国民の税金です。最も多く税金を支払うのは働き盛りの若者です。この少子高齢化社会が進むと、病院へかかる高齢者は増加し、税金を納める若者がいないという未来がやってきてしまうのです。そうなると日本の保険制度が崩壊してしまいます。この深刻で重大な問題を背景にしても、私たち個人がいかに美しく健康寿命を延ばすかというところが大切になってくるのです。そしてこのフランス式メディカルアロマが日本でも注目されているのですが、その中でも脳と嗅覚に深い関係性があると認められており、認知症や睡眠障害、ストレスなど、脳と深く関わりがある症状に対して特に研究が進められており、医療機関でも取り入れられてきています。
このように、認知が進み始めているメディカルアロマの分野がより広く知れ渡り、私たちや今後日本を支える子供たちが、安心して過ごしていけるような未来を創る一歩の取り組みとなる事を切に願います。