隠れ貧血
前回のコラム【貧血と未病ケア】でもお伝えした通り、貧血と診断されてしまう場合はかなり状態は深刻であり、5人に1人が貧血と診断されていると言われています。
しかし、病院では診断されていないが、立派な貧血症状が出てしまっている隠れ貧血の方は、3人に2人とも言われており、特に生理のある女性は該当する割合は高くなります。
「潜在性鉄欠乏」とも呼ばれますが、「貧血」とは診断されないものの、体の中の鉄が不足している状態のことを言います。この隠れた未病は知らず知らずのうちに深刻化しており、様々な身体や心の不調へと繋がってしまいます。【病気の土台に貧血あり】と言われるくらい隠れ貧血は甘く見れないものなのです。しかし考え方を変えれば、いち早く症状に気づき改善することで、様々な病気の予防ケアに繋がると言えるのです。
そして隠れ貧血は、大人だけの事ではありません。成長過程である子供達も該当します。大切な成長期に、心と身体が健やかに育つケアも必須となります。
原因と症状
では、隠れ貧血の原因と症状について考えてみましょう。
まず見逃しがちな症状ですが、たちくらみ、めまい、慢性的な肩こりや頭痛、知らないうちにあざができやすい、薬が飲みにくいなど、のどに不快感(つかえ感)がある、生理の量が多い、とにかく疲れやすいなど・・があげられます。原因としては、月経や分娩などによる血液量の減少、鉄の足りない食事、過度なダイエットなどがかくれ貧血の原因の一部だと考えられています。近年の食事環境を見ると、明らかに鉄不足の食事が目立ち、需要と供給が追い付いていないといえます。鉄は体に必要不可欠なミネラルです。赤血球をつくり、体内に酸素を運ぶだけでなく、コラーゲンをつくったり、筋肉を収縮させたり、骨や皮膚、粘膜の代謝に働くなど重要な役割をしています。しかし、赤血球をつくること、酸素を運ぶことを最優先させるために鉄が足りなくなると、そのほかの役割ができなくなってきます。
また、鉄は中枢神経でもいろいろな働きをしていて、神経伝達物質であるセロトニンやメラトニンをつくる手助けもしています。セロトニンの不足は抑うつ状態になりますし、メラトニンの不足は不眠につながる。まさに年齢関わらず問題視されている、未病と呼ばれる症状に繋がっていくのです。鉄不足の意識を持ち、基本の食事を見直しそれでも難しければ、プラスαのサプリメントで補う意識を心がけましょう。ただし補うサプリの選び方も注意しなくてはなりません。安心・安全・機能性をしっかり見極めて選んでいきましょう。
妊婦さんの貧血
そして知っておきたいのは妊婦さんや、妊娠を希望されて妊活中の女性にとっても、貧血は予防や改善をしなければいけません。サロンのお客様でも妊活中の方は非常に多く、アドバイスやご相談を受ける事も多々あるかと思います。
よく、妊娠中に葉酸のサプリを推奨されていたりするのですが、まさに貧血と繋がっており、赤ちゃんをお腹の中で成長させるために血液は必須。貧血になりやすい状態とも言えます。
隠れ貧血を見逃すことで、早産や低体重のリスクが上がることも分かっています。お腹が大きくなればなるほど母体に症状が出ます。もちろん妊娠前からではありますが、特に妊娠中は隠れ貧血を予防することを心掛ける必要があるのです。
また、妊娠を希望される方にとっても貧血を見逃してはいけません。
貧血になると全身が酸素不足になり、子宮内環境が悪くなるほか、黄体ホルモンの分泌量が減ることもわかっています。
ホルモンバランスが乱れると、卵巣機能も低下するため、結果的に不妊につながる可能性があります。鉄分は抗酸化酵素がうまく働くために必要な成分で、鉄分が不足することで卵子が老化しやすくなります。このように妊娠中は勿論、妊活中などのかたは特にご自身の貧血に気づき、改善する必要があることとなります。
貧血ベイビー
女性のほとんどが隠れ貧血の可能性があり、妊娠中に更に隠れ貧血は進行したとしたら
産まれてくる赤ちゃんは、間違いなく貧血状態だと言えますよね。
赤ちゃんは、症状がありませんし血液検査では隠れ貧血は分かりかねます。誰にも気づかれないまま貧血状態で成長してしまうこととなるのです。
鉄は全身に酸素を運ぶ重要な役割を担っています。まさに心も身体も鉄の役割が重要なのです。鉄不足であると、大人でも様々な不調をきたしてしまうのに、今から心と身体を成長させる赤ちゃんや子供達にはいかに重要であるか想像がつくと思います。
鉄不足で起こりうる身体や心の症状は様々であり、年々増加傾向にある、アレルギー症状や、アトピーを患う原因も貧血の要因があるとされています。
このようにご自身のお身体を守るという意味でも、大切な人を守るという意味でも未病ケアの知識が本当に大切で、健康で美しく過ごすためには知るべき事柄だと言えます。
特に貧血は、全ての病気や不調に繋がる土台の未病です。
気づき、知り、ケアしていく。ぜひ毎日を過ごす過程として見過ごさずにしていただきたいです。
まとめ
前回の「貧血と未病ケア」のコラムでもお伝えした通り、貧血だと診断されていなくても
十分、症状や状態が深刻化しつつある方たちを「隠れ貧血」と呼んでいます。
この隠れ貧血に該当される方は、生理のある女性に非常に多く、3人に2人だというデータも確認されているほどです。インターネットで検索しても隠れ貧血は、年々注目されており、病気との繋がりも分かってきています。知識がないことで知らず知らずのうちに不調に悩まされて、いずれ病気に繋がらない様にご自身の身体の状態に気づき、ケアしていくことが重要になります。隠れ貧血の原因は様々ですが、月経や分娩などの経験から女性に多く見受けられたり、便利にはなっている現代の食生活ですが、極端に鉄の少ない食事、また成長過程にある子供達も沢山の酸素を運ぶことで鉄不足になると言われています。
症状は、立ちくらみ、めまい、不眠、イライラ、疲れやすいなどでついつい見過ごしてしまいがちの症状でもあります。また、妊婦さんも貧血に注意しなければいけませんし、妊娠を希望される方で妊活中であれば尚、隠れ貧血にもならない様改善、注意が必要となります。
同じく産後、授乳中のお母さんも同じです。少しでも症状が見つけられることがあれば、ご自身の貧血を疑い、目を向ける必要があるのです。
また、近年は隠れ貧血を持つ方が増えていると同時に、貧血ベイビーという言葉も出てきています。赤ちゃんは貧血の症状が確認できるわけではありませんし、血液検査ではもちろん隠れ貧血は認識できません。これから健やかに成長を促したい赤ちゃんが、鉄不足では様々な影響を及ぼしかねないと言えます。成長の妨げは勿論、こころも身体の成長も、アトピーやアレルギーといった、成長のすべてにおける未病に繋がる可能性も否定できないのです。
ご自身も含め、大切な方、大切なご家族全ての方が健康で美しく健やかな毎日が送れるように、未病ケアはこれからの社会の大きなテーマになる事となるでしょう。そのひとつとして貧血、隠れ貧血も見逃せないわたしたちの注目すべき要因であると考え、今一度、お身体と症状に向き合っていただきたいです。